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2014.06.06【Vol.170】

フォーカルプレーンシャッターの速度と露光の話

現在一眼レフ(一眼デジタル)カメラに使われているシャッターの形式のほとんどはフォーカルプレーンシャッターを使用しています。大型カメラ用のレンズに使われることの多いレンズシャッターに比べて構造が簡単で、なおかつ速いシャッター速度を出すことができる点(レンズシャッターは1/800程度の高速シャッターが限界)がメリットです。ストロボの同調速度を速くする点ではレンズシャッターに劣りましたが、ストロボ側の技術革新もあり、今では1/250以上の速いシャッター速度にも同調した撮影が可能になっています。

フォーカルプレーンシャッターは先幕、後幕の2枚の幕がフィルム面(センサー面)の直前を縦もしくは左右方向に走ることで露光を行います。また、高速シャッターを得るためには幕間にスリットを設けて、画面一端から反対一端に向かって幕を走らせて露光を行います。もちろんこの幕の速度が先、後ともに一定でなければ、画面の上下方向もしくは左右方向に露光ムラが起きてしまいます。

また、画面端に何らかの像が写った時と、もう一端に像が写った時にはタイムラグが発生してしまい、動体撮影の際に被写体が歪んで写ることもありました。スリットの幅が画面サイズと同等もしくはそれより広ければ画面全体を一度に露光できますが、高速シャッター時のようにスリットを設けた際にはそのようなデメリットが生じます。幕の速度は今では大変高速にすることができますが、50年ほど前は幕の素材が布であったりと耐久性の問題があり、幕の速度を速くできず、せいぜい1/1000程度の高速シャッターが限界だったのです。

カメラの技術革新は、こんなものを記録してみたい、楽に撮影してみたい、もっとキレイに写真を記録したいといったさまざま要望をうけて発展してきました。いま当たり前のように使っているシャッターにもいろいろな歴史と技術が詰まっているわけですが、仮に今のカメラの技術が発展途上だったとすると、この先鈍な技術が待っているのか楽しみになります。

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