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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2011.10.07【Vol.032】

WB(ホワイトバランス)の話

デジタルカメラの機能として備わっているWB(ホワイトバランス)とは白色を白く再現するための機能のことをいいます。

通常フィルムで撮影する場合はデーライトタイプという日中屋外、太陽光下で撮影した場合に見た目に自然な色合いで写るものを使います。デジタルカメラの場合は太陽光モードがほぼそれに該当します。

まず初めに覚えておきたいのが、色に温度があるということです。黒い物体を加熱していくにつれて、その黒が赤から青へと光を放つようになります。その色の変化と熱した温度には一定の決まりがあり、その色のときの温度を一般に色温度と呼んでいます。そしてその単位をK(ケルビン)で表します。ガスバーナーの火の色を思い出すとわかりやすいのですが、温度が低い火はオレンジで、高い火は青くなっています。気温と同じようにその数値が高ければ、色温度が高いと表現し、その逆は低いと表現します。フィルムの場合、現在そのWBは2種類でデーライトタイプが5500K、タングステンタイプは3200Kとなっています。デジタルカメラの太陽光モードや電球モードに設定した時とほとんど同じ結果になるわけです。ただ、デジタルの太陽光モードはフィルムよりやや色温度が低く5200Kに設定されているカメラもあるようです。

次に具体的なWB設定について述べましょう。朝や夕方の光、写真電球は色温度が低く(約3200K~約4800K)、曇り空や日陰は色温度が高くなります(約7000K)。そのような光源下でデーライトタイプのフィルムや太陽光モードで撮影すると、画面がオレンジがかったり、青みがかったりします。そこで色温度を上げたり、下げたりします。その色温度の調整をWBというのです。

太陽光の色温度というのは、日常生活においてとても馴染みのある光ですので、写真のみならず、印刷の分野などでも基準の色温度になっています。たとえば太陽光の5500KにカメラでWBをセットして撮影したとき、もし被写体の光源の色温度がそれより低いと赤く写ります。朝や夕方の光が大体4500~4800Kと色温度が低く赤みを帯びます。フィルムの時はわざわざ、色温度を上げるシアン系のフィルターをレンズに装着して補正していましたが、デジタルの場合、背面のモニターで確認しながらWBを変更、補正することができます。カメラの液晶は目安でしかないのですが、フィルムのようなわずらわしさは減りました。なお、RAWで撮影しておけば現像の段階で変更したり、パソコン上でWBの微調整という機能を使って細かなWBの指定もできます。

厳密な色温度の測定はカラーメーターという機械を使用して測るのですが、それは主に広告写真などのスタジオ撮影で使用する場合や、映画の撮影での使用が殆どです。普通の写真撮影でそんなに厳密に測っていたら撮影どころではなくなってしまうので、知識として知っておいていただければとおもいます。

先にふれたようにデジタルカメラではいつでもWBを変更することができます。朝焼け、夕焼けの赤を、太陽光で撮影するよりも、曇りや日陰モードに設定すればもっと赤みを増して撮影できたり、反対に電球モードにすれば画面全体を真っ青にして撮影するということも簡単にできます。