【静寂の湖】水の中に沈んだ倒木と、今が盛りの木々の紅葉との対比。
■カメラ:キヤノンEOS1New レンズ:EF17-35mm f2.8L 絞り:f16 シャッタースピード:オート フィルム:RVP PLフィルター 三脚使用 撮影地:北海道足寄町オンネトー湖 10月上旬
 



【落葉の舞】シャッタースピードの選択は、回る落葉を見つめることで決まる。
■カメラ:キヤノンEOS1New レンズ:EF28-70
mm f2.8L 絞り:f22 シャッタースピード:オート +0.7EV フィルム:RVP PLフィルター 三脚使用 撮影地:長野県佐久町古谷渓谷 11月下旬


【秋の滝】夏の水量の多い時と秋の渇水期では、全く違った表情を見せる滝。
■カメラ:キヤノンEOS1New レンズ:EF28-70mm f2.8L 絞り:f22 シャッタースピード:オート フィルム:RVP PLフィルター 三脚使用 撮影地:宮城県七ヶ宿町滑川大滝 10月下旬

【光る波紋】シャッタースピードは、波紋が停止する速度を選択する。
■カメラ:キヤノンEOS1New レンズ:EF70-200mm f2.8L 絞り:f8 シャッタースピード:オート +0.7EV フィルム:RVP 三脚使用 撮影地:愛媛県西予市宇和海 9月中旬
 
大学に入学してから始めた写真。
自己流ではありましたが、満足のいく写真が撮れていました。


 もともと美術関係のことが好きだった松浦さん。お兄様が映画好きだったこともあって大学では映画について学ばれていました。
 「映画は小さな頃からよく観ていましたが、大学で映画について学ぶ目的に関してはあまり深く考えてはいませんでした。写真を撮り始めたのはその頃です。大学に入るまで写真はやっていなかったので、すべて自己流でしたが結構いい写真は撮れていたつもりです。当時はファッション写真を撮っていました。素人の女性にお願いして撮らせてもらう時もあれば、みんなでお金を出し合ってモデル撮影をすることもありました。卒業後は東京でファッション写真関係の会社に就職も決まっていたんです。しかし、卒業直前に父親が他界し、残された母親も体が弱く、故郷の愛媛に帰ることになりました」。
 松浦さんの故郷の愛媛県西予市は、山があり、海があり、さらには少し足を延ばせば、清流で有名な四万十川の源流地帯に行くことができる豊かな自然に包まれた場所です。やがて松浦さんは、故郷の自然風景をフィルムに収めるようになりました。

熱中していた写真コンテストへの応募。応募した全てのコンテストで入賞を果たしました。

 「母親の看病がありましたので、愛媛から遠くへ行くことはできませんでした。そのためもっぱら地元で撮影をしていました」。
 1980年に日本フォトコンテスト誌・カラー大型の部で”年度賞第1位“を受賞した松浦さんは、それまで勤めていた会社を退社して1984年に”写真のマツウラ“を開業。
 「コンテストの審査員が故・秋山庄太郎先生でした。先生に私の作品を絶賛していただきました。私は嬉しくてすっかりその気になってしまったのです」。
 さらに松浦さんはコンテストに応募することに熱中していました。様々なコンテストに自然風景写真で応募して全て入賞。しかし、あることがきっかけとなりコンテストへの応募をやめてしまいました。
 それは1988年に東京・新宿ニコンサロンで「四国海景」という写真展を行なっていた時のことでした。
 「たまたま竹内敏信先生が来場されて、私に『写真展を開催するということはすでに作家の立場にあるわけだから、これからはもうコンテストに応募してはいけない。もっと作家として活動をしなさい』と言われました。当時はその意味がよくわからなかったのですが、先生の教えに従い、それ以来コンテストへの応募はやめました」。


東日本の自然は優しく女性的表情。
それに比べると西日本は男性的に見える。


 「東日本は自然が豊かで優しい表情。それに対し西日本は風景が多少荒っぽい印象があります。東日本は雪が多く降り、西日本は台風の上陸が頻繁にあります。これらが自然に与えた影響が大きいのではと私は考えています。話す言葉も東日本はやさしい感じがし、西日本はメリハリがあり強い印象があります。西日本で長く暮らしてきた私が言うのも変ですが、現在は東日本の風景に魅力を感じています。それは現代社会のテーマでもある『優しさ』『癒し』『柔らかさ』のある風景だからだと思っています」。
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