クラシックカメラの楽しみ方は『買う』、『撮る』、
そして『持ち続ける』こと。


現在40台ほどのコレクションを持つ久和野さん。驚くことにその全てのカメラが、フィルムを入れればちゃんと撮影できる状態にあります。そこには久和野さんのクラシックカメラに対する気持ちや楽しみ方が表れています。
 「クラシックカメラを集めるのには、お店で買わなければなりません。しかも普通のお店では売っていないので、中古カメラを取り扱っている店で購入します。インターネットを使う手もありますが、私はこまめに店に足を運ぶことを大切にしています。珍しいカメラや狙っていたカメラを偶然見つけた時の喜びは、何物にも変えがたいものがあります。また、お店の方とのカメラ談義も大変に楽しいものです。
 そして、クラシックカメラには、レンズひとつとっても特徴があり、その描写力には現在のカメラでは味わうことのできない独特なものがあります。撮る前は不安もあるのですが、プリントの仕上りを見て発色の良さに驚くこともあります。
 さらに、マニアの方なら誰もが貴重なクラシックカメラを持ち続けることに情熱を傾けるはずです。私の場合は撮影することが楽しみのひとつでもあるので、保管にはかなり気をつけています。湿気対策はもちろん、年に何回かは保管ケースから出して、シャッターを切るなどして動かしています。
 あまりにもカメラを大事にしているので、家内からは『私とカメラとどっちが大事なの?あなたが死んだ時はカメラを全部お棺の中に入れてあげるから』と言われています(笑)」。
 普段はそのカメラたちを”ゴミ“”ガラクタ“などと言う奥様も、撮影に出かける時はいつも久和野さんの助手役をつとめてくれます。
 「家内の趣味が押し花なので、”花“というのが二人の共通点になっています。いつも撮影に出かけた先々では、美味しい料理を家内にごちそうしています。そうすることで、”ゴミ“”ガラクタ“の存在が少しずつ変わっていくのです(笑)」。
 最後にこれからの目標についてお聞きしてみました。
 「人からはコンクール出展などをすすめられますが、それよりも写真集をつくりたいのです。最近は自分史をつくることが話題になっていますが、自分自身を登場させるのではなく、昔撮影させてもらったお子さんの横に、成長した現在の姿を載せるような写真集にしたいのです。そして、そこに写っている方々に差し上げることなどもしていきたいですね」。
 退職後は今よりももっと写真撮影を行っていきたいと、楽しそうに語られる久和野さん。そうなれば今以上にお二人で出かける機会が増えることでしょう。



  「会話ができる」ことが魅力。

 とにかくクラシックカメラが好きでたまらない久和野さん。そんな久和野さんお気に入りの店が『カメラのキタムラ新宿中古買取センター』。平均して週に3回、時には日に3回来店されることもあるそうです。
 「新宿界隈には4店ほど中古取扱店があります。それぞれ特徴はありますが、ここのお店では何といっても『会話ができる』ことが最大の楽しみです」。
 取材当日も早速、気になるカメラを見つけて、店のスタッフとのカメラ談義に花が咲いていました。
 
 

ミノルタ CLE
発売開始:1981年(昭和56年)
ライツの手を離れてミノルタによる全く独自の設計で産まれた小型レンジファインダーカメラ。

ニコン F2+カールツァイス・イエナー ・ゾナー
発売開始:1971年(昭和46年)
交換レンズ、アクセサリーなどは「F」との互換性を保ちながら、細部にわたり機能向上。
 
コンタフレックスT ツァイスイコン(西ドイツ)
発売開始:1953年(昭和28年)
レンズはツァイス「テッサー」。写りは抜群。

ローライ 35S(ドイツ)
発売開始:1974年(昭和49年)
ハーフ版カメラを凌駕する小ささでありながら35mm版フルサイズ。
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