カメラのキタムラ
Vol.50 2004 AUTUMN
フォトワールド 十人十色 第6回  
【モミジカラスウリ】
■カメラ:コンタックスRX レンズ:マクロ・プラナー100mm F2.8 絞り:f2.8 +0.5 
シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームRVP 三脚使用 撮影地:福岡県福岡市椎原峠(7月)
自然の中で咲いている山野草だから、何ひとつ手を加えることなく撮る。
 20年以上にわたり山野草を撮り続け、約1万点の中から厳選された126点を展示。広い会場の壁面が色とりどりの草花で飾られました。聞くところによりますと、このギャラリーで写真展を開催するのには、事前にかなり厳しい作品の審査があり、なかなかパスするのが難しいところだそうです。調先生は約1年前に申請をおこない、審査を無事に通過して、その後は準備に追われました。全紙に伸ばしたプリントをパネルに貼る作業も先生ご自身でされて、さらには額の周りに装着するフレームもご自分で買い求め作業されたそうです。
「とにかくはじめての写真展なので、はたしてお客さんが来てくれるのか、また写真を見てどのような反応をされるのかと不安は尽きませんでした」。
 ところが初日から200名を超えるお客さんが来場され、口コミもあり日を追うごとに来場者は増えていきました。
「皆さん、非常に熱心に作品をご覧になり、ご質問もかなりいただきまして、ご説明させていただくことがかなりありました。そのようなことから、初日はお昼ご飯を食べたのが3時頃で、あとはほとんどが夕方になってしまいました」(笑)。
 来場された方の感想で多かったのが、『こころが癒されました』『ふだん気がつかなかったところに、こんな美しい世界があるなんて』というものでした。開催前に心配していたことが信じられないくらいでした。
 また、これまで調先生はおひとりで活動をされてきたのですが、数多くの写真愛好家の方とも、様々なつながりができ、一挙に知り合いの輪が広がったそうです。
【オキナグサ】
■カメラ:コンタックスRX レンズ:マクロ・プラナー100mm F2.8 絞り:f2.8  シャッタースピード:AE フィルム:フジクロームRVP 三脚使用 撮影地:熊本県阿蘇根子岳山麓(4月)

これからは九州エリアを飛び出し、日本全国を撮りに行きたい。
 長年の会社勤めを離れ、土・日だけだった撮影時間の制約から開放され、自由になる時間が増えた先生に、今後の活動について語っていただきました。
「今までは時間の制限があり、撮影地も福岡・佐賀・熊本あたりだけでしたが、これからは本州などにも撮影に出かけるつもりです」。
 そんな調先生には、今とても魅力を感じているところがあるそうです。
「北海道の礼文島にぜひ行ってみたいんです。礼文島にはまだ見たことのない高山植物がたくさんあるので、来年には何とか行ってみようと考えています」。
 そのような先生の撮影旅行には、今までと同じように、有能なアシスタントでもあり、最大の理解者である『先生の奥様』の姿が必ずあるはずです。自然を愛し、小さな草花を愛する調先生の『山野草撮影の旅』はまだまだこれからのようです。

PROFILE
しらべ しげゆき
1938年生まれ。福岡県出身。2004年5月・福岡アジア美術館交流ギャラリーにて個展「野草百花」開催。。

▲UP

当サイトに掲載されている写真・テキスト等を無断で複製・転載することを禁じます。