カメラのキタムラ
Vol.44 2003 SPRING
特集 写真家 沼田早苗氏  
ニコンのRAWモードはTIFFで撮影するより気持ちよく写る。このへんはまだメーカーによってまちまちで、RAWモードにすればいいというものでもない。
■カメラ:ニコンクールピクス5700 2560×1920ピクセル RAWモード 絞り:f6.3 シャッタースピード:1/500秒 焦点距離:8.9ミリ

ともかく気に入った風景を見つけることがいい写真を撮る最大の秘訣なのだ。
海辺の公園にあるナゾのオブジェ。意味はよくわからないが何となく気に入っている景色なのだ。
■カメラ:ニコンクールピクス5700 2560×1920ピクセル RAWモード 絞り:f7.1 シャッタースピード:1/500秒 焦点距離:15.7ミリ

偶然性は写真の重要なスパイスなのだ。
■カメラ:ニコンクールピクス5700 2560×1920ピクセル RAWモード 絞り:f5.3  シャッタースピード:1/164.7秒 焦点距離:29.5ミリ
塀の影が面白いと思ってカメラを構えていたら子供が入ってきた。いいスナップの基本は子供を追いかけ回すことではなく、情景を撮ろうと思っているときに偶然に人間が画面に入ってくるときに生まれる。

写真の面白さは現物に忠実なことよりも、現物以上の効果が出たときが面白いのだ。
トタンの扉についた金具の擦れ跡が面白いと思ってシャッターを切ったら、RAWモードでは現物以上の色に再現された。
■カメラ:ニコンクールピクス5700  2560×1920ピクセル RAWモード 絞り:f4 シャッタースピード:1/60秒 焦点距離:15.7ミリ

サンダー ひらやま
1956年5月14日、千葉県市川市に生まれる。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。コマーシャルカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。
デジカメもパソコンも
始めてしまうことが重要
 キタムラの店内を見ても世の中がデジタル時代に変わってきていることは十分解る。ところが長年銀塩写真をやってきた人たちは、いまだにデジカメに踏み出せない人が多い。
 その理由はデジタル一眼レフがパソコンを使わなければならないということへの抵抗と、高価であるということ、そして撮影用CCDにゴミが付きやすいという欠点があるため不安になっている人が多いのだ。もちろんまだゴミが付かないデジタル一眼レフは完成していないが、今度のカメラショーあたりには登場しそうな気配になってきた。
 パソコンに対する抵抗は解らなくはないが、始めてしまえばどうしようもないほどムズカシイというほどの問題ではない。まず始めてしまうことが重要なのだ。
 そして現行のデジタル一眼レフにはゴミが付きやすいという問題はあるが、クリーニングが可能となってきている。初期のデジタル一眼レフは完璧にクリーニングすることが不可能(CCDの表面が傷つきやすい)だったから、クリーニングできることはかなり大きな意味があるのだ。とくにフジのファインピックスS2プロは使用説明書にクリーニングのやり方とクリーニングキットの購入方法が明記されている。この真実はファインピックスS2を買わないと解らないが、ともかく安心してデジタル一眼レフも使えるようになったということなのだ。


RAWモードの美しさは
ダイレクトプリントのニュアンス
 デジタルカメラにはRAWモードというのがある。このモードは最高画質専用の圧縮形式で高画質を保ちながら記録データ量を押さえることが出来るのだ。ニコンクールピクス5700では通常の最高画質モードであるTIFFでは約14メガのデータ量になってしまうがRAWモードにすると約8メガ以下のデータで収まるのだ。つまり1ギガのマイクロドライブでTIFFでは72枚しか撮れないが、RAWモードにすると134枚も撮れるようになる。
 この事実は500万画素クラスのカメラではそれほど強く感じられないが、記録画素数が1200万画素のフジファインピックスS2では、TIFFでたったの29枚しか撮れない(1ギガのマイクロドライブ使用)が、RAWモードでは80枚も撮れるようになる。
 つまり記録画素が大きくなるデジタル一眼レフほどRAWモードは大きな効果が得られるのだ。そのためコンパクトタイプのデジタルカメラでこのモードが付いているカメラは少なく、ニコンのクールピクス5700と5000(最近発売されているモノにはかなり改良され、RAWモードも使えるようになった)他のメーカーではキヤノンG2、G3、オリンパスE20、ミノルタ7Hiなどだ。
 ただRAWモードで撮った写真がTIFFで撮った写真よりいいと思えたのはニコンのクールピクスだけで、他のメーカーのカメラはTIFFとほとんど変わらないような印象だった。このへんはあくまでサンダーの印象なのだが、クールピクスをRAWで撮ると普通のデジカメの写りがネガカラーからのプリントだとすると、RAWモードで撮ったものはリバーサルフィルムからのダイレクトプリントという感じなのだ。それは単純に硬い写真になるということではなく(コントラストのコントロールはフォトショップで可能)、シャープ感やヌケの良さといった印象がダイレクトプリントのような感じなのである。


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