フォトライフ「四季」Vol.43 WINTER
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カメラのキタムラ
Vol.43 2002 WINTER
特集 写真家 沼田早苗氏
しなやかに、やわらかく、そして力強く。
女性にしか撮れない写真を撮る。
 
(上)【ミス・インターナショナル】金色のやわらかな髪をかきあげた自然な表情を、ラフな感じで作画してみた。
■カメラ:キヤノンEOS-7 レンズ:EF28-135mm F3.5-5.6 プログラムオート フィルム:RDPV 撮影地:神奈川県・向ヶ丘遊園

(上)【ミス・セネガル】細く編み上げた髪を表現したくて、思い切り寄ってみた。褐色の肌にパールのイヤリングが印象的だった。
■カメラ:キヤノンEOS-7 レンズ:EF28-135mm F3.5-5.6 プログラムオート フィルム:RDPV 撮影地:神奈川県・向ヶ丘遊園
女性が女性を撮るというのは、
お互い女としての気持ちが
わかりあえるだけに、
かえって撮りにくいものです。

―――師事されていた大竹省二先生は、女性を数多く撮られていましたが、沼田先生も女性を撮られたのでしょうか?
 その頃の大竹先生は、女性のヌード写真を撮ることが多くて、毎日のようにヌードを撮っていました。大竹先生からも「ヌードは写真の原点だ」と言われ、私もヌードを勉強しようと思いました。
 そして、大竹先生がロケで出かけることもありまして、ロケにはスタジオの男性アシスタントが同行することになっていましたので、そのような時には残っている私が友だちにモデルを頼んで空いているスタジオでヌード撮影もしました。
 そのうちに、雑誌社から女性が女性のヌードを撮るという企画の依頼をいただきましたので、若さにまかせていろいろとチャレンジもしていました。
 でも、女性ヌード写真というのは、お互い女性としての気持ちがわかり合えるだけに、友だちを撮るのならまだいいのですけれども、プロのモデルさんとなると、ポーズの指示にしてもぎこちなさや遠慮がでてしまって、かえって撮りにくかったですね。多分、モデルさんもやりにくかったと思いますよ。もちろん、同性ですからキレイに撮ろうという意識はありましたけど。
 だから、女性ヌード写真は女性が撮るよりも、男性が撮った方がいいと私は思います。また、それならば逆に女性の目で男性を撮ってみたら面白いのではと思いはじめました。

―――沼田先生が、人物写真中心でいこうと考えられた最大の理由はなんですか?
大竹スタジオにいた10年間には、人物以外の「物撮り」も数多くこなしていました。カタログ用に指輪とかもよく撮っていたのですが、朝から晩までスタジオにこもりきりで、セッティングをいろいろ試しながら撮れたのはやっと1カットだけとか、どうも私には、じっくり構えて細かい作業をするというのが苦手みたいなんです(笑)。性格的な問題かも知れませんが、人物撮影のようにパッパッと撮るほうが、私には向いていると思いました。でも、最初の頃の人物撮影は、要領もいまひとつだったので、結構時間もかかりました。
(左)【黄砂】何ごとも人海作戦でやってのける中国。若い女性がシャベルを持って歩く姿がほこりの中から現れてきた。
■カメラ:コンタックスRTS レンズ:Sonnar 135mm F2.8 シャッタースピード:1/125秒 絞り:f4 フィルム:コダクローム 撮影地:中国・北京

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