まじめなポートレート講座
第三回

サンダー ひらやま
1956年5月14日、千葉県市川市八幡神社の大銀杏の木の下で生まれる。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。コマーシャルカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。
 
 
 
■理想的なポートレートの露出は入射式露出計で計る
 ポートレートをウマク撮る秘訣。まずモデルのよさ。表情を上手に捕まえること。魅力的なポーズ。など色々な要素があるが、基本的にそういった部分はモデル自体の才能による部分も大きい。つまり乱暴にいってしまえばいいモデルさえ見つかれば、簡単にいい写真になる。そういっても間違いはないのだ。
 じゃあいいモデルさえ見つかれば、いい写真が撮れるのかというとそうでもないのだ。例えば同じ女優なりタレントなりの写真をいっぱい集めてみる。自分が気に入っている女優がいい。変態といわれてもストーカーといわれてもおかしくないぐらいに集めてみると、いいと思う写真とヘタクソだと感じる写真がある。必ずあるはずだ。

 もちろん女優だって人間だから、機嫌のいい日もあれば、調子が乗らない日もある。そういった差はあるモノの、大女優といわれる人ほどそういったコンディションの違いは少ないはず。そう考えると魅力が無い写真はカメラマンの腕の差ということになる。

 つまりポートレート撮影においてもカメラマンの腕の差というのは圧倒的に存在するのだ。いい被写体すなわち魅力的なモデルを見つけだすというのは、多分に運の問題もあるが、基本的な撮影技術を磨いておかないと、いい被写体と出会っても、上手に撮ることは出来ない。ではポートレートの基本技術とは何かというと、きっちりピントを合わせることと、いい光を選び、いい露出で撮ることなのだ。このいい光というのはいいモデルを捜すということと同じぐらい運の問題もあるが、その日の天気によってどこで撮ればいい光を見つけられるかというのも、ある意味でカメラマンの腕の問題なのだ。
ポートレートの露出の難しさは背景の明るさの問題、そしてモデルが着ている洋服の問題などが露出の難しさの原因となる。カメラ内蔵の露出計では、状況によって異なるそれらの要素を簡単には処理できないのだ。
■カメラ:コンタックスAX レンズ:プラナー85mm F1.2 絞り:F2 シャッタースピード:1/125秒
すすむ