まじめなポートレート講座
第一回 新連載

サンダー ひらやま
1956年5月14日、千葉県市川市八幡神社の大銀杏の木の下で生まれる。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。コマーシャルカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。
 
 
 
■ポートレートに適したレンズ
 オトコがもっとも撮りたいものは何だろう。それが可能かどうかは別として、神聖で美しい女性を撮ってみたい。これは掛け値なしに真実なのだ。異性に対して魅力を感じるのは人間として当たり前で、ごく自然な行動なのだ。しかし、亭主が女性ポートレート撮影会に夢中になっていると、よからぬことを想像して、目をつり上げている奥さんが多いことも事実だ。それゆえにポートレート撮影会に一生懸命参加しようと考える人は、まず奥さんに対してたっぷり愛情を注ぐことが大切なのだ。
〈左〉直射日光の当たらない森の中で撮影。薄暗い場所でも大口径レンズなら撮ることが出来る。ポートレートには大口径レンズが必需品なのだ。ボケもきれいだ。
■カメラ:ミノルタα-9 レンズ:85mm F1.4 絞り:f2 シャッタースピード:1/30秒
〈右〉上とまるっきり同じ条件だが、暗いレンズのためブレを起こしている。ファインダー内表示では1/2秒だった。ピントが甘く見えるのはピンボケではなくカメラブレ。便利なズームレンズもポートレートにはあまり向かないのだ。
■カメラ:ミノルタα-7 レンズ:24〜105mm F3.5〜4.5 プログラムAE
 最近はポートレート撮影会に参加する女性カメラマンも多い。しかし、男性が女の子に魅力を感じるのは本能的に正しいとして、女性が「どうやったらよく撮れるでしょう。」と考えても、サンダーにはよくわからないのだ。女性が女の子に魅力を感じるというのは、基本的にはあり得ないことで正直いえば無理して撮る必要はないと思うのだ。写真の基本はあくまでも自分が魅力を感じるものを撮ることだから、女性カメラマンが撮影会に参加する必要はないのだ。ただ女の人でも、きれいな女の子はすばらしいと思う人もいるから、その気持ちを写真にぶつけることが大切なのだ。つまりポートレート撮影の秘伝その1は、あくまで魅力を感じる相手を撮るということなのだ。

 そして次に重要なのが撮影機材。ポートレートの場合は、見栄やカッコ付けではなくて、本当に良いものが有利なのだ。初心者は購入の手軽さ故に、開放F値がF3.5〜4.5ぐらいのズームレンズを使いたがるが、それでは明るさが足りない。普通に風景などの写真を撮っている人は、晴れていれば明るさが足りないなんてことはないと思うだろう。ところがそれが大間違いなのだ。
 
 
 
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