特集 宮嶋康彦先生ミニギャラリー

宮嶋先生は長い期間をかけて取材を続けているテーマを複数お持ちです。
「街や村里風景もまた自然の持つ一面に過ぎない」と言い切る先生の、自然の多面性の追求は、花に、動物に、人間の生活にと、とどまることを知りません。
ここでは先生の、その少年のような旺盛な好奇心がとらえた、風景写真をいくつかお借りして、その壮大な自然観を少しだけ紹介させていただくことにいたしました。
 
 
 
渓谷の撮影では、晴れか曇りかで出来上がりは大きく違ってくる。継続中のテーマで、晴れた日の水の色が必要で、太陽を待った。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:ニッコール50mm 絞り:f8 シャッタースピード:1/125 フィルム:フジベルビア 撮影地:熊本県菊池市菊池渓谷
風もまた、ぼくには生来のテーマ。風の強い日、山の木がざわついていた。いくらかスローシャッターで、山の動きを求めた。
■カメラ:ニコンFE2 レンズ:ニッコール105mm 絞り:f16 シャッタースピード:1/4 フィルム:フジベルビア 撮影地:長崎県対馬下県町
自然写真を撮り始める前、富士山見物のために三つ峠に登った。そこから見た丹沢連峰の朝焼けを撮った。オーバーにならないよう配慮。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:ニッコール135mm 絞り:f8 シャッタースピード:1/30 フィルム:フジクローム 撮影地:山梨県河口湖町三つ峠
 
 
 
明けていく湖を撮るためにミズナラの根元で夜明かしする。森や水辺の撮影は、よくその場の空気になじんでから撮るようにしている。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:ニッコール50mm 絞り:f2 シャッタースピード:1/4 フィルム:フジクローム 撮影地:栃木県奥日光西ノ湖
ガジュマルにおおい尽くされた炭鉱跡。こうした産業遺跡も、自然写真のうち、として撮っている。木の勢いを真正面から撮影することに気をつけた。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:ニッコール35mm 絞り:f8 シャッタースピード:1/8 フィルム:フジベルビア 撮影地:沖縄県西表島
「奥の細道」の取材で撮った一枚。町の光をよい具合に取り込むよう、場所の選定に時間をかけた。あとは空と川面の露出が同じになる時間を待つ。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:ニッコール50mm 絞り:f4 シャッタースピード:2秒 フィルム:フジクローム 撮影地:山形県酒田市最上川河口
日本海の波の花は冬の風物詩。この現象を「花」と捉えた心映えに乾杯したい。「花」が形を失わないよう、速いシャッターを切っている。
■カメラ:ニコンF100 レンズ:ニッコール35mm 絞り:f4 シャッタースピード:1/125 フィルム:コダクローム64 撮影地:新潟県山北町笹川流れ
尾瀬ヶ原の朝を撮るために至仏山に登った。霧のグラデーションが損なわれないよう、写真中央部で露出をとっている。
■カメラ:ニコンF3 レンズ:ニッコール85mm 絞り:f4 シャッタースピード:1/60 フィルム:コダクローム64 撮影地:群馬県片品村至仏山
花の撮影は多くのなかから、どの花を撮るかがたいせつ。あとは角度で、背景に何をどのようにぼかすかである。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:120mmマクロ 絞り:f4 シャッタースピード:1/60 フィルム:フジベルビア 撮影地:北海道サロマ湖村
 
 
 
ドウダンツツジの花は限りなく白く、晴れた日はオーバーになりがち。花どうしの乱反射を防ぐため、PLフィルターを使用している。
■カメラ:ペンタックス645 レンズ:75mm 絞り:f8 シャッタースピード:1/60 フィルム:フジベルビア 撮影地:岐阜県岐阜市
 
 
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