プロの写真家の中にも写真集を出版されていない方々もいらっしゃいますので、一概に言うことはできないのですが、プロの写真家が作品を発表するという行為は、当然の事ながら「仕事」なんです。プロの作品の発表方法である、雑誌に載せてもらう、展覧会を開催する、といったことも「仕事」ですし、写真集を出版することも「仕事」なんです。

　私は写真家になった当初からテーマを持って活動しておりましたので、最初から、ゆくゆくは自分の作品を写真集にまとめたいという意識を持って撮り続けています。ですから、雑誌で発表する作品は点数も限られていますので、将来に出版する写真集の展望を持った作品を、部分的に発表しているわけです。

　ただやみくもに撮りためた作品を並べただけでは、一冊の写真集として、まとまりのないものになってしまいます。ですから、たとえば作品を選ぶ場合でも、四季で作品を選ぶとか、地域でまとめるとか、素材で選んで写真集にするとか、それぞれの目的に合わせて選んでいくわけです。

　私は今ではストックを元に編集したりしておりますが、アマチュアの方が写真集を編集する場合は、ある程度テーマを限定して撮り続け、それをまとめてゆく方がいいと思います。

●写真集をまとめるためには、テーマが重要なのですね？

　そうです。写真集を出版するというのは、特にアマチュアの方の場合は、もちろん経済力もありますけど、写真集としてまとめることができる写真を撮っているかどうか、ということが問題になると思います。つまりテーマを持って写真を撮り続けているかどうかが大事なんです。