ユーザーの要望にきめ細かく
対応した数々の新機能を搭載。
この大型ストロボを収納するために大きくデザインされたα-807siのヘッド部は、焦点距離に連動してストロボの照射角がズームする仕組みになっている。そしてこのストロボは、例えば日中の逆光撮影時の補助光として、太陽光に負けないだけの光量が必要とされる時などにその威力を発揮するという。
また、従来の「インテリジェントカードシステム」が持っていた機能をボディに内蔵したのもα-807siの大きな特徴だ。カードシステムもその機能自体はユーザーに好評であったが、一度に一枚のカード、つまりひとつの機能しかセットできなかったため、「露出ブラケット機能を使いながら、撮影データの記録もしたい」といった要望には応えられなかった。しかしその後電子技術の向上が図られ、α-807siではこうした付加機能や撮影シーンに対応した設定機能をカメラ本体に組み込むことによって、複数機能の併用を可能にしたのだ。
「通常、我々がひとつのカメラを開発する際には、『こうした使い方をする撮影者のためにはこうすべきだ』という考え方に対し、『逆にこういう希望をもつユーザーにはこの方がいい』といったことを論議して、最終的にどちらかに決まるのですが、そうして作られた製品には、当然のことながら要望が取り入れられなかった側のお客様からは不満が出るわけです。ですからこちらがひとつのスタイルを決めこんで押しつけるのでなく、様々な使い方ができる機能を一台のカメラに搭載し、ユーザー側に選んでいただけるのならその方が良いのではないかと、発想を転換した結果なんです」と、ミノルタ(株)カメラ開発センターの鈴木達弥氏は「撮影者の意志や個性を反映させられるカメラ」であることを強調する。
「多機能性」と「シンプル操作」を追求し、常にユーザー志向の製品を送り出してきたミノルタ。これからも我々ユーザーの気持ちを優れた機能という形に替えて、そのカメラやレンズに搭載してくれることを期待したい。
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