撮影便利メモ

草花を中心に撮影する場合



●レンズ
花畑のように、広い範囲に群生する花の全体を撮影するのでしたら、風景と同じズームレンズでいいのですが、小さな花の一つに近づいて撮影したい、いわゆる接写を行う場合、できればマクロレンズを用意した方がいいでしょう。大口径の単体レンズが理想的で、風がある時にも速いシャッターを切ることができます。50mm前後の標準のものでもいいのですが、バックのボケを強調したい場合には、100mm前後の中望遠レンズが適しています。マクロレンズは通常のレンズとして使用することもできますので、あれもこれも撮影したいという欲張りな方には便利なレンズです。

●三脚
景色とは異なり、草花は地面にありますから、低い位置で撮影できるローアングルが可能なものを選ぶようにしてください。アングルを素早く、スムーズに変えられるものが有利です。

●その他のアクセサリー
接写の場合にはカメラのボディにあるシャッターボタンが押しづらくなる場合もありますので、レリーズがあると便利です。レリーズはスローシャッターにも必要となります。また、通常のレンズに装填するだけでクローズアップ撮影を可能にするクローズアップレンズや接写リングは、ポケットに入りますので携帯が苦になりません。レンズとカメラの本体の間にセットすることで、撮影距離を短縮したり、望遠効果が出せるテレコンバーターも便利です。

 野山を歩く場合には、カメラバッグは背負うタイプのものを選ぶとよいでしょう。レンズ交換やアクセサリーをセットする場合などに、いちいち背中から下ろさなければならない手間はありますが、手が自由になる便利さは余りあるものがあります。小型アクセサリーやフィルムが入るウエストバッグも用意しましょう。

 フィールドではフィルムや電池を入手するのが困難ですので、予備を持参するようにしてください。また、山や高原地帯では天候が変わりやすいので、簡単な雨具も必ず用意するようにしましょう。不慣れな土地ならば地図や懐中電灯なども揃えておきましょう。

 また、撮影した地点や被写体の状態などを記録しておく、メモ帳をポケットに忍ばせておけば、撮影がより一層思い出深いものとなるでしょう。

 野山を少し歩けば、日本には美しい自然がまだまだ豊富に残っていることに気がつくことでしょう。くれぐれも、素晴らしい写真が撮りたいという気持ちだけを先走らせて、足下の自然を踏みにじるようなことだけは避けてください。たとえどんなに小さなものであっても、それは厳しい冬を耐えて、やっと芽吹きはじめた小さな命なのだということを、忘れないでください。