撮影教室


絞りを上手く使い奥の深い写真を撮ろう

 写真を知って一番感動したのは「バック(背景)の処理が思いどうりになった時」と語るカメラマンが意外と多くおられます。バック処理に感動できるようならかなりの腕の人、プロでもいつも苦労している永遠のテーマとも言えます。そのバックを上手に処理する一つのテクニックとして、絞りを有効に駆使することが挙げられます。

 絞りを開放に近くすればするほどバックがボケてきます。逆に、絞り込めば絞り込むほどバックが明瞭に写ります。もっとも、レンズの焦点距離によって、また目的とする被写体とカメラの距離によってバックの写り具合が大きく変化します。「この程度にボケてくれればいいのだが……」と思いながら撮影しても、思いどうりにはなかなかいかないものです。

  コマーシャルの世界ではかなり有名なあるカメラマンは、この絞りによるボケを大切にしているということで、レンズによってボケ具合が違っていることにまでこだわり、メーカーによる自分の好みに付いて語っているくらいです。また同じ機種のカメラ数台と同じ焦点距離のレンズを数本持って来て「このカメラとこのレンズのコンビはボケ味がいいが、このカメラ(同じ機種の違うカメラ)とでは悪くなる」と、徹底的にボケにこだわります。

 このようにレンズはメーカーによってボケが異なっており、そのボケ方で好みのカメラやレンズを選ぶ方も多くおられますが、カメラとレンズのコンビネーションまでこだわるのは「さすがにプロ」と思わざるを得ません。

  いずれにしても「絞り」の活用いかんで、写真も大きく変わることを知っておくと、また写真の奥深さが楽しめるのではないでしょうか。

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