撮影教室


フィルムの種類を知ろう  Part 3

撮影領域の広いカラーネガフィルム

 フィルムにはいろいろな種類があって、撮影条件や目的に合わせて選ぶことができます。
 一般アマチュアが容易に使用でき、市販されているフィルムを大別しますと、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム、白黒リバーサルフィルムがあります。ちょっと特殊な部類になりますが、赤外線フィルムも市販されています。

白黒ネガフィルムカラーネガフィルムリバーサルフィルム
 

 また、それぞれに35mmサイズ、ブローニーサイズ、シートと大きさが異なるフィルムもあります。カメラの大きさによって使い分けます。

 フィルムにはそれぞれ「感度=光に感じる比率(感光度、フィルムスピードとも呼称)」が設定されています。明るさ(光)の強弱によって感度を選ぶことができます。少ない光でも写せる高感度タイプ、強い太陽光の下でよく使用される低感度タイプなどがあります。一般的に粒子の細かい写真がほしい場合には低感度フィルムを使用しますが、夜間の光の少ない場所や屋内にはどちらかというと不向きです。夜間や高速で動いている列車や自動車を撮影する時には高感度フィルムが多く使われます。

 フィルムの外箱やパトローネにISO 100とか、400と記載されていますが、数字が大きくなるほど高感度タイプになります。

*カラーネガフィルム編
(35mm、APS フィルムをベースにして記してあります)
 もっともポピュラーなカラープリント用のフィルムで、種類も豊富にあります。一般用として、35mmとAPSのサイズの異なったフィルムがありますが、性能的にはほとんど変わりません。カメラによって使い分けます。

 フィルム感度はISO 50から3200と幅広くあります。通常使用する場合はISO 100 〜400が使われています。レンズ付きフィルムのほとんどが400が装填されていますが、暗い場所や運動会用として800もあります。

 タイプとしてはデイライト用とタングステン用があります。光の色温度で使い分けます。通常の光、太陽やストロボの光ではデイライト用を使用します。蛍光灯下で撮影してもカラー印画紙に焼き付けする段階で、ある程度「補正」してくれますので、ほとんど問題はありません。

 また、ラチチュードといって写る許容範囲が広いことから、撮影の時に露出を少々間違ってもきれいな写真が得られるのもカラーネガフィルムの大きな特徴といえます。もちろん、適正露出に越したことはありませんが、さほど露出を気にしないできれいに撮れるフィルムといえます。最近のカメラであればオート機構の範囲で撮影し、ストロボを使用する場合でも説明書通りに撮っていれば、きれいな写真が得られるフィルムです。

露出オーバー適正露出露出アンダー
 

 上の3枚の写真は、リバーサルフィルムで意識的にオーバー、適正、アンダーを作ったものですが、ネガカラーフィルムならばオーバーもアンダーも適正な露出で撮影されたようにプリントされます。
 また一般的なカラー写真は

 撮影→フィルム現像→焼き付け→ペーパー現像→写真

 このような工程順で処理されますが、カラーネガフィルムでは焼き付けの段階で「補正」が可能ですから、撮影時の条件が悪くても、少々の失敗もここできれいにしてくれます。

写真を大きく引き伸ばす
 ごく普通に使用されているISO 100〜400フィルムでも四ツ切ぐらいでならば、粒子の荒れも目立たず、ほとんど問題ありません。全紙や全倍といった超大型プリントにする場合は100以下をお勧めします。さらに粒子にこだわりを持つのであれば、ISO 50のフィルム使いますと、超大型プリントにしても粒子は目立ちません。

フィルム期限
 ラチチュードの広いネガカラーフィルムも、有効期限が切れているものは保存状態によって多少異なりますが、きれいな仕上がりは期待できません。不鮮明で、色のさえないカラー写真になってしまいます。期限切れは原則としてと使用しない方がベターです。特に大事な行事の場合など大切な撮影には、使用を避けるようにしましょう。


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