撮影教室




冴えない緑色カブリを解消

 冬場はとかく、室内での撮影が多くなりますが、室内では圧倒的に蛍光灯が広く使用されています。昼光用のカラーフィルム(一般的なフィルム)で撮影すると、全体的に緑がかって、色調の冴えない写真になってしまいます。肉眼ではきれいに見えている人の肌も、写真にすると顔色の悪い、病的な色合いになってしまい、写された人からもあまり評判がよくありません。肌だけでなく白い壁が緑色になってしまい、ムードがかなり異なってしまうケースもしばしば生じます。これを解消するのが、色補正フィルターで、蛍光灯専用のフィルターがあります。

左の写真フィルター使用

 ケンコーではMC FL-W フィルター、マルミ光機ではF-WLフィルターの名称で販売されています。
蛍光灯を大きく分けると、一般的には白色、温白色、3波長型、昼光色など3〜4種類になりますが、もっとも多く使用されているのが白色蛍光灯です。蛍光灯専用フィルターはこの白色蛍光灯をターゲットにおいて開発されていますが、昼光色は別にして、そのほかの色の蛍光灯にもある程度の効果が得られます。

フィルター使用未使用

 また、水銀灯の場合にも効果がありますが、やはりこれにも何種類かの水銀灯があって、ほとんど効果の出ないケースもあり、ガッカリさせられたことがあります。しかし、おおむね効果があるいえるでしょう。本来ならば、蛍光灯、水銀灯などはCCフィルターを何枚か重ねて厳密に撮影する方法がありますが、一般的には不慣れもあって使いこなすことは難しいと言えるでしょう。しかし、ケンコー、マルミのフィルターは、通常使用しているフィルターと同様に、ネジ径さえ合えば、簡単に使用できます。

 このフィルターはピンク系統の色で、実際に撮影(今回はケンコーのMC FL-W フィルターを使用)してみますと、露出は1絞りプラスした状態での撮影になります。カメラまかせでは、+1.0程度の補正を行うと良いでしょう。このために、動きの早い被写体には高感度フィルムを使用することをおすすめします。

  なお、蛍光灯下の緑化は、近距離であればストロボを使用すると、ほとんど現れません。但し、蛍光灯下でストロボとフィルターとの併用は、色が濁ったような感じになる傾向ありますので、フィルターを外すことを忘れないようにしてください。

(写真提供:ケンコー)


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