撮影教室


構図のマスター2


風景写真の構図

同じ被写体でも撮影者によってイメージが異なる

仲間同士で、同じ時間帯、ほぼ同じ場所、同方向の木を撮影していても、人によって写真のイメージが大きく異なるケースがしばしばあります。
この大きな要因のひとつとして、画面構成の違いが挙げられます。同じ被写体、同方向を見ていても、広がりのある景色の一部分をカメラのファンダーで切り取った場合、そこに撮影者の意図が加わって、フレーミングが異なってくるからです。
何を表現したいのか、意思によってフレーミングが違うのですから、同じ木を撮影しても、カメラを若干、上に振るか、下に振っただけで、まったく違うイメージの写真ができて当然かも知れません。

きれいな写真は、画面構成、バランスの良さがあります。ただ単に「きれい」と、思った瞬間も見逃すことはできませんが、基本的な構図にあてはめることで、撮りたいと思った被写体が一段と活き活きとする場合が、よくあります。
とはいいましても、堅苦しく基本パターンに無理矢理、当てはめる必要もありません。一応、基本を頭に入れておけば、撮影に幅がでてくることになります。

風景を撮る場合は、適切な露出、レンズの焦点距離、背景処理などを考慮しなければなりませんが、ここでは、風景写真の代表的な構図について述べます。

参考になる3分割構図方法
画面構成上、空間、ゆとり、バランスなどがよいといわれてるのが3分割法で、これは参考になります。画面を上下左右に3等分して交わった4点のところに、ポイントを置くとバランスよくまとまります。
例えば、主眼はスケールの大きな全体的な景色であっても、この4点のいずれかに、人物なり、花なり、建物などを置いて撮るということです。無論、場合によってはこの位置の被写体が主目的になる場合もあります。
この3分割は景色を撮る上で、特に有効といわれています。

中央の2分割は避けた方が無難
また風景写真では、水平線や縦の塔を中央に持ってこない、つまり、画面を2分割してしまう撮り方は避けたほうがよい、といわれています。これも必ずしも2分割してはいけません、といっているのではなく、あくまでも基本です。しかし実際、海の写真で、水平線が中央にある写真を見ていると、平凡な感じがする場合が多くあります。2分割することで、主題がボケてしまうためです。
どちらに主眼を置くかで、例えば、海ぎわで撮影する場合、撮りたい被写体がある方を広くします。砂浜が主体ならば、海3:砂浜7にするなど工夫します。


2枚の写真を比較してください。水平線が中央にあると、人がたくさんいるのは判断できても、空に目が半分奪われてしまい、写真が散漫になっています。画面を2分割しない方が良いというゆえんです。一方の写真は、若干ハイアングルからになっていますが、人が主役になっています。

構図の取り方でイメージか異なることがお判りでしょう。


© KITAMURA Co., Ltd. All Rights Reserved.