撮影教室


アルバムを飾る代表選手「記念写真」

背景を決めてから人物に動いてもらうのがポイント

 写真撮影の目的には子供の成長記録、記念、ポートレート、風景、さらにはプロとしての生活のためなどなどいろいろあります。こうしたなかで、子供が小さいときは成長記録がチャンピオンですが、アルバムを全体的に見ますと、記念写真が圧倒的に多いのではないでしょうか。この記念写真とは「旅行へ行った」とか「何かした」などの記録です。被写体の主人公は「どこに行ったのか、何をしたのか」などにプラス「人物」です。つまり、ポートレートではメインは人物だけですが、記念写真は強調する被写体が二つあります。この点をマスターすればアルバムが一段と楽しいものになります。

景色の中で人物を大きく写そう。
 雄大な景色や大きな建物が背景にあって、人物が豆粒のように小さく写っている、こんな写真では、撮られた人がかわいそうです。写真にしたい風景や建物があると、そこに意識が働いて人物がおろそかになりがちです。記念写真は景色と人物の二つがメインですから、背景を決めたら人物をどこに置くかを考えて下さい。ファインダーの中で人物が小さい場合は、カメラを動かさずに人物に近づいてもらいます。これで豆粒写真は解消です。

35mm前後のレンズで撮るのがコツ
  この景色と人物の両方を主人公にするためには、広角の28〜38mmの領域で撮ります。コンパクトカメラでも上手に撮れます。ここでのポイントはフォーカスロックを使用することです。人物が中央にある場合はよいのですが、それでは景色や建物の情景が半減してしまいますから、人物を中央よりもずらすことになります。人物にレンズを向けてシャッターボタンを半押しすると、人物に焦点が合います。その半押ししたまま、景色を中央にしてシャッターボタンを押し込みます。(このような操作をするのはファインダーの中央にピントが合うようになっているからです)
  35mm前後で人物が3m以上離れていれば、人物が中央からずれていてもフォーカスロックをする必要はありません。景色が中央にあって人物が横にいてても両方にピントは合います。ただし、人物が小さくなる可能性があります。カメラマンが写真の中に入るには三脚が必要です。もちろんセルフタイマーを使用します。この場合、大勢の記念写真であれば問題はありませんが、二人だけの時はできるだけ寄り添うようにして撮ります。また人に「ちょっとすいません。シャッターを押して下さい」と頼む時も同じです。

 記念写真は主人公が二つあること、カメラが人物に近づくのではなく人物に近づいてもらうこと、35mm前後で撮影すること、この3項目を覚えてアルバムの楽しいものにして下さい。

写真説明
35mmレンズで撮影。通常の撮影では、上の写真のように人物が小さくなってしまいますが、カメラ位置は同じで、彼女らに6〜7歩、近づいてもらったのが下の写真です。人物、後ろの滝の両方が活きてきます。


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