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修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー

2014.10.17【Vol.1154】

Summicron f=5cm 1:2 沈洞M39編(グリスの固着)

グリスの固着

前群レンズは固く締め付けてありました。外したままにしますと絞り羽根が落ちてしまいます。軽く締め付けておきます。

グリスの固着

赤○の剣先ネジを外し、沈洞を前側に押し出します。
鏡筒にガイド溝ある仕様は、此処でバヨネット環を外しますとフエルトとガイド溝鋼球が2ヶ所あり収めるのに苦労します。

グリスの固着

締め付け環を外すと、バヨネット環と鏡筒が分離する。

グリスの固着

鏡筒部を分離しますとヘリコイド側にバヨネット環が残りましたからガイド環溝に鋼球が目視できます。

グリスの固着

組み込む時は、バヨネット環にある剣先ネジ穴と鏡筒部剣先ネジ切りを合わせます。
無理をするとガイド溝・鏡筒に傷が付きます。
鏡筒部剣先ネジ穴とバヨネット環剣先ネジ穴を一致させ、動かないように注意しながら仮連結した鏡筒をマウント側に押し出します。

グリスの固着

締め付け環の送り量により、バヨネット環剣先ネジ穴と鏡筒部ネジ穴が一致しない場合があるので締め付け環の送り量を仮修正します。
両者のネジ穴を一致させ、動かないようにしてバヨネット環をネジ込み締め付け環でしっかりと固定します。最後に剣先ネジで緩み防止をします。

グリスの固着

固着しましたヘリコイドの分解をします。最初に飾り環を外します。
品質が悪いグリスを選択していたのですね!酷い状態で良く固着するペトリのヘリコイド状態でした。

グリスの固着

気長に少しずつ溶剤(シンナー)を挿しながら拭き取ります。

グリスの固着

直進キーを外しましたら、辛うじて外・中ヘリコイドが動くようです。

グリスの固着

中ヘリコイド内面にフエルトが貼り付けてあり、無理は出来ません。
溶剤を挿しては拭き取る作業を続けます。
強く掴みますと、形状から中ヘリコイドの変形に繋がります。
変形を防ぐに外ヘリコイドへ組み込み作業を続けます。
在る程度清掃した後、ヒートドライヤーで加熱をしました。

グリスの固着

洗浄しては、加熱を繰り返した結果、火傷をしそうになったり、手首が腱鞘炎になったりしそうでした。やっとの思いで締め付け環を緩める事が出来ました。
内・中ヘリコイドは滑空仕様でした。
ガイド軸ネジも外し、固着したグリスを洗浄します。
洗浄後、新たなグリスを塗布して組み立てます。ヘリコイド一つを分解するに気を使いますし、若ければ良いのですが、手首を痛める危険性もありました。

隠居人 田口由明

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