長命寺桜餅

バスを吾妻橋際で降ります。車社会が優先され、風情がありませんのは、お江戸日本橋と同じですね！川を渡る風は冷たく感じます。

墨田区役所近くの公園に生誕１８０年を記念して「勝海舟の銅像を建てる会」より墨田区に寄贈されました銅像がありました。
江戸本所亀沢町で生まれ、幕末・明治の激動期を卓越した見識と献身的行動力で海国日本の礎を築いたのです。
ＮＨＫ大河ドラマ「篤姫」での活躍を覚えている方も多いと思います。

吾妻橋・言問橋を越え、そろそろかな～と、思う頃に常夜灯から「山本や」を望むことが出来ました。
この常夜灯は牛嶋神社境内にあったと説明書きがありました。
神社は移転しましたが、常夜灯は残され、移りゆく隅田川を見つめています。

長命寺の由来は、3代将軍徳川家光が腹痛を起こした際、境内の井戸水で薬を飲むと痛みが止まった事により名付けられました。

享保二年、長命寺の門番であった山本新六が、土手の桜の葉を樽の中に塩漬けにして試みに桜もちというものを考案し、向島の名跡長明寺の門前で売り始めました。
江戸庶民に親しまれ、２９０年余を経ました現在も此処でなくちゃのようですね！

明治の頃、正岡子規が、お店の２階で一夏を過ごした折りに
「花の香を若葉にこめてかぐはしき桜の餅家づとにせよ」
と詠んでいます。

お店には桜もちしか無く、一年を通じまして味わえます。
散歩の折りに立ち寄り、緋毛氈を敷きました休み何処で味わうことも出来ます。
包んである葉について、お店のご主人に尋ねましたところ
「桜葉は乾燥を防ぐ意味と香り付けで、大きめの葉３枚を使用しています。葉は食べられますが、剥いて召し上がり下さい。衣は小麦粉を主にブレンドしてあります。」
との事。
上品な甘さに、桜の香と江戸の味が美味しゅう御座いました。
３月４月は、折角来店しても手に入らない場合があり、予約を致してからが安心ですとヨ！との事でした。

http://www.wagashi.or.jp/tokyo/shop/1413.htm

桜餅は食べるか？食べないか？
お餅は、道明寺派か？長命寺派か？
桜葉は食べるか？食べないか？
この様な議論をしますと、新六は墓の中でビックリしていると思います。

日本橋店中古売場　田口由明