カメラのキタムラスタジオマリオカメラのキタムラ

デジカメプリント・フォトブック・カメラのことはおまかせ!

閉じる

ママカメラマン山ちゃんの写真教室 コラム・ギャラリー

雨を撮るVol.324 2017年06月02日更新

梅雨入りして雨の日が続くとなかなか外にカメラを持って出かけようという気になれないかもしれません。私も機材が濡れないように傘をさしながらの撮影は正直ちょっとめんどくさいというのが本音です。しかし、一度撮影を始めると結構楽しいのもわかっています。雨の日は確かに撮影には不自由なことが多いのですが、ちょっとドラマチックなイメージを作るにはなかなか良いものなのです。同じ被写体でも晴天の時はまったく気にならなかった風景や素材が雨の中で見ると「いい感じに撮れそう」なものに見えてきます。今回は雨の日の写真を撮ってみましょう。

軒下は雨を撮りやすいポイントの一つ

雨粒を撮るにはコツがあります。何回かお話したことではありますが、その条件は
(1)暗い背景に重ねること
(2)逆光で撮ること
の二つです。逆光で、と言うのは場合によっては絶対ではなくそのほうが写りやすいということですが、背景については暗くてフラットな状態が望ましいです。この二つの条件を同時に使うのに便利なのが建物の軒下などです。背景については暗いところを探すしかありませんが、軒下は開けた場所よりも暗いので当然外側からの光がメインになり、雨の日でも柔らかい逆光という光線条件になります。また、軒下だと屋根を流れてきた雨水が落ちてくるので、大粒の水滴が落ちてきますから写真に写りやすいという利点があります。作例1はお寺の山門の下から背景にお寺の屋根を入れて撮りました。ピントは軒先に合わせて水滴が落ちてくるタイミングを見計らって撮っています。シャッター速度は1/80秒です。シャッター速度が低すぎると雨の軌跡は長くなりますが、軌跡が薄くなるので見えにくくなってしまいます。モニターで拡大して見れば確認できるので、自分のイメージに合わせてシャッター速度を調節しましょう。

作例1 軒下から外側を撮る

作例1 軒下から外側を撮る

遠くの背景と近くのものを入れて霞んだ感じを出す

雨の日は遠くのものが霞んで見えます。「雨に煙る」というイメージでしょうか。作例2はお寺の屋根と境内の木立と裏山を入れて撮ってみました。近くのものは普通に見えますが遠くのものほど霞んで見えるのがわかると思います。雨そのものは写っていませんが、遠くの風景が霞んで見えることで雨のイメージを作ることができます。この霞んだ状態を写真にするにはできれば近くのもの(コントラスト普通)、その後ろのもの(コントラストやや弱い)、遠くのもの(さらにコントラスト弱い)の3つ以上のアイテムを入れると感じが出ます。遠くに行くほど霞んで見える感じを出すには中間地点のコントラスト中間くらいのものが、画面に入っていたほうがわかりやすくなります。

作例2 遠くの霞んだ背景を入れる

作例2 遠くの霞んだ背景を入れる

日暮れ時はドラマチックなイメージを作りやすい

作例3は線路脇に咲いていた花を暗い背景で撮って水滴が写るようにしてみました。ちょうど電車が通るところだったので電車が走り抜けるタイミングでもう一枚撮ったのが作例4です。かなり薄暗い時間帯だったので電車内の照明が点いており夕暮れ時のイメージを強調することができました。雨の日の夕暮れは夕焼けこそ出ませんが、ドラマチックな演出に向いています。背景や脇役などを工夫して写真にいろいろ味付けしてみましょう。

作例3 暗い背景で水滴を写す

作例3 暗い背景で水滴を写す

作例4 電車を入れてドラマチックな感じに

作例4 電車を入れてドラマチックな感じに



LINEで送る
 
全社高価買取キャンペーン
全社高価買取キャンペーン