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ISO感度自動制御の使い方Vol.234 2015年09月04日更新

私が今メインで使っている一眼レフにはISOオートの機能が採用されています。この機能に最初に気が付いたとき「あれ?まえはこういうのなかったよなあ」と思っていました。仲間のカメラマンから「あれ、便利だよな子供の運動会撮ったときけっこう役に立ったよ」と聞いていましたし、出荷時点でISOオートがONになっているところを見ると、多くの人にとって便利な機能としてとらえられているものだと思います。ただ、この機能には設定項目がいくつかあり、それに気が付かずに使っていると、イメージ通りの写真が撮れないこともあるので今回はISOオートの上手な使い方についてお話しします。

ISO感度自動制御機能とは

写真の明るさはシャッター速度と絞りとISO感度によって決まります。絞りとシャッター速度はその時の設定によって写真の明るさだけでなく写真の描写が全く違ってきます。絞りはは絞ればピントが深くなり(ピントが合う範囲が広くなるので広い範囲がシャープに写る)、開けるとピントが浅くなります(ピントが合う範囲が狭くなるのでボケが大きくなる)。シャッター速度は早ければブレが少なく、低速ならブレが大きくなります。しかしISO感度の設定を変えてもそのような描写の違いはありません。要するに写真の描写は変えずに明るさを変えることができることになります。たとえばマニュアルでシャッター速度と絞りを設定したとしましょう。しかし、その露出では写真が暗くなりすぎてしまう(または明るすぎてしまう)という場合、カメラが「これじゃ暗いよ」と判断すると自動的にISO感度を上げ足り下げたりして適切な明るさに仕上げてくれる、という機能です。

明るさがコロコロ変わる状況では便利

冒頭で出てきたカメラマンの「子供の運動会で便利だった」というのはどういう状況だったのでしょうか。彼のお子さんは保育園に通っており運動会をやるときは近くの公園を借りてやっているそうです。公園内には大きな木が何本かあり、ところどころ木陰ができています。運動会の徒競走の時走るコースの一部に木陰があったそうで、スタート地点は日向、走っている途中で木陰に入り(作例1)、ゴールはまた日向(作例2)という状況だったそうです。もしこの機能がなかったら日陰に入ったとき明るく写すためにシャッター速度を落とさなければならなかったかもしれませんが、それではブレが心配です。彼が「便利だった」と言ったのは絞りは開放を使いたい、シャッター速度は高速がいい、という条件をこの機能でクリアできたからです。

作例1日陰

作例1日陰

作例2日向

作例2日向

自動制御の限界を自分で設定

ISO感度を自動的に設定してくれる機能ですが、自分で限界値を設定することができます。たとえばISO感度を上げすぎで写真がザラザラな感じになるのは嫌だな、できればISO感度は高くても2400までにしたいなと思うなら自分でISO 感度の限界値を2400に設定すればいいのです。そうすればISO感度が2400を超えて設定されることはありません。また、シャッター速度の限界値も設定することができます。たとえば普段手持ちで撮影している人で自分は1/200秒より遅いシャッター速度になるとブレが不安、という場合です。この場合はシャッター速度の限界値を1/200秒に設定しておけば、1/200秒まではシャッター速度が下がることがありますが、暗くなって1/200秒以上遅いシャッター速度が必要になったときISO感度を上げて対応してくれます。逆に作例3のように三脚などを使ってスローシャッターを積極的に使うなら、たとえば限界値を30秒に設定しておくといいでしょう。シャッター速度が30秒を超えて遅くならないかぎりカメラが勝手にISO感度を変えることはありません。スローシャッターを使いたいのに限界値を1/200秒などに設定してしまうといくら絞ってシャッター速度を遅くしようとしてもカメラが勝手にISO感度を上げてしまうため、1/200秒以上のスローシャッターにならないことがあります。このようにISO感度自動制御は便利な機能ですが、機能の使い方を把握したうえで使わないと自分の思い通りのイメージの写真が撮れないことがあるので注意しましょう。

作例3スローシャッター

作例3スローシャッター


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