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露出補正についてVol.136 2013年10月04日更新

今回はちょっと露出補正について話してみたいと思います。今までにもちょくちょく露出補正の話は出てきていたのですが、先日知り合いから「被写体が白いときはプラス補正するんでしょ?」ときかれました。正確には「被写体が白いとき」ではないんだけど…ということを説明しました。今の多分割測光はかなり優秀なのでとんでもない失敗と言うのはあまりありませんし、デジタル画像なので少しくらいなら露出が外れてもあとからPCでカバーするという方法もあります。しかし、大きく露出が外れてしまうと、あとで画像をいじくりまわしてもなかなかきれいな写真にはなりません。秋の花ハギの一輪挿しを被写体に使って露出補正の説明をしてみたいと思います。幸いデジタルなら大体の明るさをモニターで確認できますから、普段から露出補正になれておきましょう。

同じ被写体でも背景によって露出補正はちがう

今回被写体として使ってみたのはハギの一輪挿しです。仕事で訪れた旅館で宿のご主人が「野の萩です」と言って置いていきました。ちょうどよい例になると思い作例を撮ってみました。[作例(1)]は現場の状況写真です。黒塗りの台の上に飾られたハギを被写体にして画面右側の暗い部屋の隅の部分を背景にして撮ったのが[作例(2)]、窓のブラインドを背景に撮ったのが[作例(4)]です。

作例(1)状況

作例(1)状況

被写体よりも背景に注意

もちろん被写体が大きくボリュームのある物で、画面いっぱいにフレーミングするなら知人の言ったとおり「被写体が白かったらプラス補正」でもいのですが、作例のように細い花器に生けられた細い枝という状況では被写体のボリュームがないため画面内のほとんどのスペースを背景が占めることになります。このような状況ではいくら被写体が白っぽい色でも露出補正値にはほとんど関係ありません。カメラが適正露出とするのは画面全体が平均的な明るさになる露出です。もちろん多分割測光という機能は、極端に明るさのちがう一部分(たとえば画面に入った太陽など)につられないように露出を決めるなど、明暗差の大きい状況に対応するようになっていますが、それも万能ではありません。この場合画面全体が暗い[作例(2)]のような状況ではカメラが「暗すぎる部分を中間的な明るさに」と判断して、明るく写そうとするために[作例(2)]のような黒が黒にならず、グレーっぽい写真になってしまいます。背景が暗いのを暗いままに写そうとするならマイナス補正が必要です。ー1.3補正して撮ったのが[作例(3)]です。

作例(2)露出補正なし

作例(2)露出補正なし

作例(3)-1.3補正

作例(3)-1.3補正

作例(4)露出補正なし

作例(4)露出補正なし

明るい背景ならプラス補正

次に窓のブラインドを背景に同じハギを撮ってみました。白いブラインドである上に窓からの逆光で明るい背景です。補正なしだとカメラの判断でグレーになる露出を選択してしまいます。このような場合はプラス補正です。[作例(5)]は+1.7補正して撮った写真です。露出補正なしで撮った、[作例(2)]と[作例(4)]を見てみるとどちらも背景がグレーっぽく写っていることに気がつきませんか?普通カメラの判断では画面全体が中間的な明るさ(グレーくらいの)になるように露出を決めているからです。多分割測光は画面の一部分だけが極端に明るい場合、そこにつられることがないように露出を算出しますが、逆に「画面のごく一部に露出を合わせ、背景はトビトビでもつぶれてても一向にかまいません」という状況は苦手です。要するに被写体が白いかどうかよりも画面のほとんどを占める色が白か黒かどうかを気にしたほうがよい、ということです。

作例(5)+1.7補正

作例(5)+1.7補正


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