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写真何でも情報 EXPRESSコラム・ギャラリー

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2006.08.26

ちょっとした撮影のコツや本格的な撮影方法、最新の写真・カメラ用語解説など写真とカメラに関する最新の話題を毎週さまざまな角度から取り上げていく「写真何でも情報 EXPRESS」。これを読んでスキルアップ!

【真夏の夜の自家現像】
白黒暗室プリント入門

デジタルカメラがいかに普及しても、フィルムカメラが絶対になくならない理由。その一つが、白黒写真を自宅の暗室でネガからプリントするという、伝統的な写真の楽しみ方の存在です。カラー写真では、プリントの機材や手順などが複雑化しますが、白黒写真の場合は、比較的シンプルな機材で手作りのプリントを楽しめるので、写真愛好家の中には、自家現像にこだわりのある、根強いファンも多いのです。今回は夏休み最後の企画として、そんな白黒プリントの自家現像というディープな世界を、ちょっとだけご紹介したいと思います。でも、「真夏の夜の。。。」って、いったい?

暗室を作るための準備

白黒プリントを、本格的に行う場合は、地下室のように窓がなくて完全に真っ暗な状態を作り出せる「暗室」が必要になります。これは、印画紙が不用意に感光することを防ぐためです。ただし、一般の家庭で本物の暗室を作るのは難しいので、普通の部屋を暗室として使えるようにするため、ちょっとした準備が必要となります。方法としては、窓やドアなどから光が入らないように目張りをするのですが、最も確実に暗室に近い状態を作り出す方法は、明るい日中を避けて、夜間にプリント作業を行うこと。

部屋に雨戸があるなら閉めて街灯などの光も完全に遮断し、専用のブラックカーテンを引いておけば、ほぼ満足のいく暗室環境を、家庭でも作り出せます。そんなわけで、一般の方の場合は、夜に作業したほうがプリントしやすいので、「真夏の夜の自家現像」というわけです。さらに、夏の場合は、昼間に密閉した暗室にこもっていると、冷房がなければ暑くてたまらないので、気温が下がる夜のほうが比較的快適に作業しやすいという面もあります。

暗室作業は、事前準備、プリント・現像、撤収まで含めると、2~3時間以上かかってしまうこともあり、夜間に作業すれば徹夜になることも多いので、試してみるなら休日にするのがおすすめです。昼間に作業したい場合は、ブラックカーテンだけでは、隙間から光が漏れることがあるので、ダンボールや黒い模造紙などを窓に貼って、完全な暗黒状態を作り出してください。

ブラックカーテン
完全な暗黒状態を作り出して
製品例:エツミ ブラックカーテン
(作業する部屋に合わせて十分なサイズのものを用意しましょう)

白黒写真の撮影

白黒写真のプリントを自家現像するのが目的なら、フィルムも白黒専用タイプで撮影したほうが、仕上がりを美しくできます。カラーネガで撮影した写真を白黒でプリントすることも可能ではありますが、一部の色が白黒の印画紙に再現されないので、粒状性が粗くなったり、コントラストが悪くなったりする場合もあります。

こうした状況を避けて、満足できるプリントを作るためには、白黒フィルムの使用が最適なのです。白黒フィルムそのものの現像も、道具を揃えれば自宅で行うことができますが、初心者の方の場合は、フィルム現像と、印画紙プリントの現像の手順を、両方とも一度に覚えるのは負担が大きく、フィルムの自家現像は慣れないと失敗もよくあるので、フィルム現像だけ写真店にオーダーするのも良いでしょう。

ただし、カラーネガフィルムとは基本的に違う現像工程になるので、白黒フィルムの現像では、スピード仕上げには対応できない場合があります。白黒フィルムは、フィルムメーカー各社から発売中。ISO感度の違いなどにより、複数のタイプが用意されています。

フィルム
白黒フィルムは、フィルムメーカー各社から発売中
製品例:富士フイルム プレスト
(白黒フィルムの定番商品の一例です)

薬品の用意

白黒写真の現像には、液体の薬品を使いますが、販売されているときは粉の状態です。これを水に溶いて、現像用の薬品にします。

製品写真にはありませんが「かくはん棒」という道具も発売されているので、これを使って、説明書の指示に従い、粉の溶け残りがないように完全な水溶液にしてください。

大ざっぱに作ると、本来の性能が発揮されないこともあります。現像作業に必要なものは、現像液、停止液、定着液の3つ。
このうち停止液だけは酢酸溶液なので、商品もボトル入りの液体となっており、使うときは水で薄めます。粉を溶かして作った薬品は、一定期間内なら保存が可能なので、暗室でプリント作業を行う前に、あらかじめ作っておくのがおすすめです。

小さなサイズのプリントなら、各薬品とも1~2リットルくらいの量を作っておくと、保存する場合も含めて扱いやすいでしょう。あまり量が多いと、液体なので入れ物が重くなります。

ちなみに、薬品を作る作業は暗室内で行う必要はありませんが、いずれの薬品もやや臭いが強いので、風通しの良いところで作ったほうが快適に作業できます。薬品の購入に際しては、使用する印画紙のメーカー・製品に合わせたほうが、現像時間などの点で説明書通りに作業しやすいので、詳しくは店頭でお尋ねください。

液温計
LPL 液温計

製品例:LPL 液温計
(薬品を水に溶かす温度や、実際の現像時の液温に指定があるので、これで確認します)

薬液用製品各種
薬液用製品各種
製品例:エツミ 薬液用製品各種
(ビーカーで正確に水量をはかって溶液を作り、漏斗を使って、ボトルに入れて保存します)

機材のセッティング

薬品ができたら、いよいよ印画紙へのプリント。その前に、暗室作業で必要になる機材を、一通り並べて準備しておきましょう。

印画紙を箱から出すときには、部屋を完全に暗くしておく必要があるので、それよりも前に、使う道具のすべてをわかりやすいようにセッティングしておくわけです。

フィルムの画像を印画紙に投影するための引き伸ばし機をはじめとして、そのピントを合わせるときに使う専用のフォーカススコープ(拡大鏡)、印画紙を固定しておくためのイーゼルマスク、薬品を入れて印画紙を現像するためのバット、そしてバット内の薬品に浸した印画紙を扱うためのピンセットなどが基本アイテム。フィルムに付いたホコリを吹き飛ばすために、ブロワーもあると便利です。また、液体の薬品が垂れることがあるので、ぞうきんも用意しておきましょう。

白黒写真の現像では、完全な暗闇にせずセーフライトを使って、工程を確認しながら作業することも可能。ただし、引き伸ばし機のレンズ下に付属している赤いフィルターをセットすれば印画紙は感光しないので、初心者の方がとりあえず現像作業を試しに体験してみるだけなら、これでセーフライトの代わりにすることもできます。

引伸機
引伸機

製品例:LPL 3301D
(初心者にも使いやすい引伸機。レンズでネガ像を投影する装置、赤フィルターをセットすると画像が見えている状態でも印画紙は感光しません)

ブロアー
ブロアー

製品例:ハクバ ブロアー
(ネガをセットする前に小さなホコリを吹き飛ばしておきましょう、カメラの掃除用と同じものです)

フォーカススコープ
フォーカススコープ

製品例:LPL フォーカススコープ
(投影したネガ像を確認しながら、引伸レンズのピントを調節します)

イーゼルマスク
イーゼルマスク

製品例:LPL イーゼルマスク
(印画紙を正確に固定する道具、各種サイズがあります)

印画紙用バット
印画紙用バット

製品例:LPL 印画紙用バット
(同じ大きさで最低3個必要、現像液・停止液・定着液で使い分けるため色違いになっています)

プラスチック製ピンセット
プラスチック製ピンセット

製品例:エツミ プラスチック製ピンセット
(薬品1液に1本ずつが基本、使用後は洗ってから保管しましょう)

白黒印画紙
白黒印画紙

製品例:富士フイルム 白黒印画紙
(サイズやコントラストなどが選べます、最初は比較的安価なキャビネサイズあたりから練習してみましょう)

白黒プリント本番

ここからは、室内の電灯を消した、暗室内の作業です。印画紙は非常に感光しやすく、光が少しでも当たれば使えなくなり救済策もないので、取り扱いには十分注意してください。ただし、白黒プリントでは完全暗黒にする必要はないので、セーフライトや引き伸ばし機の赤フィルターを使って、ある程度の視界を確保することは可能です。

引き伸ばし機に、プリントしたいフィルムをセット。ヘッド部分を上下に移動すると、投影する画像のサイズが変わります。そして、適切な位置にイーゼルマスクを置いて、その上でフォーカススコープを覗きピントを合わせます。ここまでできたら、一旦、レンズ下の赤フィルターをかけておきましょう。

準備が整ったら、慎重に印画紙を箱から取り出し、傾かないようにイーゼルマスクにセットします。印画紙のパッケージは、外箱と厚手の黒いビニール袋とで、二重に感光から守られています。感光する光源がないことを確認した上で、箱を開けて中のビニール袋から、必要な枚数だけ(基本的には1枚ずつ)印画紙を取り出した後、またビニール袋と箱は元通りに戻して密閉しておいてください。密閉を忘れて室内電灯をつけてしまうと大変なことになるので、ご注意を。部屋に施錠ができない場合は、ほかの人が知らずにいきなりドアを開けて感光してしまうこともよくあるので、家庭なら、あらかじめ家族全員に現像していることを知らせておくか、「現像中 必ずノックしてください」とドアに張り紙しておくと良いでしょう。

印画紙を用意できたら、引き伸ばし機の赤フィルターを解除して、ネガ像を露光します。露光時間は、印画紙サイズなど状況によりさまざまなので、詳しくは取扱説明書や専門書などを参考にしてください。露光時間を正確に測るには引き伸ばし機の電源と連動するタイマーなどもありますが、とりあえずプリント作業を体験してみるだけなら、カチカチと音が鳴る時計などを使って、秒数を自分で数えてもOKです。

露光が完了したら、すぐに印画紙を現像液に浸します。一定のスピードを保って滞りなく入れないと、現像ムラになることがあるので慎重に。印画紙が水面に浮き上がってくるので、ピンセットで四隅を軽く押さえながら、写真の像が現れるまで、しばらく待ちましょう。そして、ほどよく画像が現れてきたら、停止液に移して、現像液による化学変化を止めます。その後、定着液に移して、指定の時間が経過するまで印画紙を浸しておけばプリントは成功です。定着液に入れた印画紙は、それより先、感光することはないので、室内の電灯を付けて焼き具合を確認することもできます。現像の詳細なテクニックについても、詳しくは各製品の説明書や、専門の本などを参考にしてください。

一定時間、定着液に浸しておいた印画紙は、最後に流水で薬品を洗い流し、これで白黒写真プリントの完成となります。水洗工程は流し台や洗面台などのある場所に移動し、別のバットに写真プリントを入れて水を溜め、その上から水道水を弱めに流し続けた状態、つまり温泉でいうなら「かけ流し」にして、数十分ほど続けるようにします。水洗が終わったプリントは、水気を切って、自然乾燥させておきましょう。乾燥用の機材もありますが、簡単に作業するなら自然乾燥でも大丈夫です。

白黒プリントの自家現像は、だいたいこんな要領ですが、いかがでしたか?
ここで紹介したのは、あくまでも初心者の方が、必要最小限の機材・備品で、あまりコストをかけずに試すことができる方法です。さらに上質の仕上がりを求める場合には、いろいろと便利な暗室用品を使うこともできます。暗室作業は、凝り始めると撮影よりも奥が深い世界です。興味を持った方は、お休みの日にでも思い切ってチャレンジしてみてください。デジカメとは、まるで違う、写真本来の魅力を再発見できるかもしれません。なお、印画紙には、目的に応じていろいろなタイプが、複数のメーカーから発売されているので、詳しくは店頭にてご相談ください。

 
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