【梅・桃・桜が一時に咲き競う】
福島県三春町 日本三大桜の一つ滝桜

春といえば桜。東北以北は「遅い春」といわれ、東北では最南に位置する福島県でも、桜の開花時期を東京地方と比較しますと、10日前後も遅くなります。しかし、春には様々な花が一時期に咲き揃うといった、格別な景色があります。

その春を謳歌する典型的な町に、福島県の三春町があります。梅、桃、桜が一時期に咲き競うことから、三つの春が同時に訪れる里、三春が名付けられたといいいます。県のほぼ中央部、阿武隈山系の谷間にあって、自然の豊かな城下町です。
室町時代から城下町として栄え、田村家三代目の城主、田村清顕の娘、愛姫(めごひめ)が、伊達政宗に嫁いでいることでも有名です。城下町としての面影を市街地に今も残し、土蔵づくりの街並、多くの神社・仏閣などがあります。三春城は明治初期に取り壊され、一部石垣などを残すのみです。
さらにここには日本三大桜のひとつ、三春滝桜があります。樹齢は千年以上と推測される、エドヒガン系の紅枝垂桜で、国指定天然記念物を受けていますが、日本三大桜に数えられるだけに、見事な花を見せてくれます。樹高は12mですが、枝張りが広く、赤に近いピ ンクの花が、滝が流れているように見えます。銘木と言われる所以がよく分かります。
今年の開花は4月17～18日頃で、見頃は4月20日過ぎと予想されています。但し、今後の天候で左右でされることはいうまでもありません。

ところで、この滝桜がなければ、銘木といわれる枝垂桜がこの三春町には少なくとも7本あるそうです。地元の人によりますと「樹齢は負けるとしても、形ではむしろ優れている枝垂れ桜があります」とも語っておられましたので、滝桜が混雑している場合は、ほかの7本が狙い目かもしれません。
ちなみに滝桜を撮るのでしたら、斜光も考えて早朝か夕方です。昼間は見学客がたくさんいますので、じっくり「撮る」わけにはいきません。
なお、枝垂れ桜が満開の頃の4月21～22日に江戸風茶店や三春時代祭り寸劇、紙芝居店、劇場、抽選会などのイベントのほか、22日（午前8時30分　三春町役場前集合）には町内の桜の名所などを徒歩でまわる「さくら観賞ウォーク」もあります。
［交通アクセス］
JR東北新幹線・郡山駅から磐越東線へ乗り換え磐越東線・三春駅まで約15分（郡山駅から三春駅まで約30分間隔路線バスもあり）、三春駅から滝桜までは約8km
［問合せ］
さくらウォーク三春町役場　　　0247-62-2111
三春町観光協会　　　　　　　　0247-62-3523
ばんとうプラザ観光案内所　　　0247-62-8080
滝桜開花状況NTTハローダイヤル 024-522-8600
＊参考までに日本三大桜＝三春滝桜、岐阜県根尾村の淡墨桜、山梨県武川村の神代桜