「日本の祭り」写真コンテスト2011に、たくさんのご応募ありがとうございました。
全国から寄せられた応募作品総数12,578点の中から、
見事に入賞された方々の作品を、ここに発表させていただきます。

 

腕自慢部門 総評:
 全体の応募枚数は12,578点で前年より約1,700点増加した。グランプリは大胆な構図で獅子舞の男を表現した門田勝一氏。気迫のこもった作家の表現が被写体の力強さとともに伝わった。特選では森田道昭氏の突然の雨で祭りの行方を不安がる子供の1コマなど、オリジナリティのある作品が評価された。
腕だめし部門 総評:
 一瞬のシャッターチャンスや微笑ましさなどに審査の基準があり、腕自慢部門のオリジナリティの表現とは明確な違いがある。グランプリは鰤切り神事の一瞬をとらえた中野英治氏。特選の森澤孝慈氏、大西忠男氏の愛情あふれる写真は好評だった。個人を被写体とした作品については入選決定後に被写体の方の承諾を作者から得ていただいた。

はが ひなた/祭り写真家。朝日新聞社「週刊日本の祭り」全30巻「祭りを撮る」を連載。2012年PHP研究所「日本の祭り大図鑑」監修など。2012年6月「被災地の夏祭り」写真展。鹿児島市おはら祭審査委員長。日本写真家協会会員。

腕自慢部門 総評:
 昨年より応募数が増えた今回の審査で、グランプリ作品に出会えたことが何よりの収穫。周囲の祭りの情景を一切排除し、獅子頭とそれを支える若者の毅然とした表情だけを切り取ったことが大成功。力強い獅子の表情と人間の生き生きした瞳とを見比べるうち、神事の永遠性に心がいざなわれます。
腕だめし部門 総評:
 どれも祭りの持つ高揚感や日常と違う和やかな雰囲気をとても上手に写真で表現していて感心しました。特にグランプリの作品は、厳粛な神事の一瞬を的確に捉えた絶妙のシャッターチャンスが実に見事。クラブツーリズム賞の作品は、周囲の華やいだ情景が可愛らしい少女の瞳の中に凝縮されていて印象に残りました。

いたみ こうじ/福岡県生まれ。法政大学法学部卒業。元「日本フォトコンテスト」(現-フォトコン)の編集長。公益社団法人日本写真協会(PSJ)理事。NPO法人フォトカルチャー倶楽部理事。

腕自慢部門 総評:
 グランプリの「主役」は、獅子舞をその演技でなく、肖像写真として見せた発想の独創性が素晴らしいと思います。特選の作品からは、鋭い観察力と熟練した表現力ばかりでなく、被写体への深い理解と見せる工夫を感じました。
腕だめし部門 総評:
 「鰤切り祝い舞」は神事の決定的な瞬間を正確無比に捉えたグランプリにふさわしい傑作です。祭は地域のよりどころ、心の絆となっています。ぜいたくをいえば、もっと家族やご近所に熱い眼差しを向けて欲しいと思います。

ひらしま あきひこ/写真家、編集者。1946年生まれ。早大政経学部卒。毎日新聞社出版写真部長・ビジュアル編集室長など歴任。共著に『昭和二十年東京地図』、編著に『宮本常一 写真・日記集成』など。
 

 
特選
特選
中山隆夫
(宮城県大崎市)
撮影地:岩手県
熊谷仁志
(秋田県秋田市)
撮影地:岩手県
特選 特選
岡田 加代子
(高知県高知市)
撮影地:高知県
河野彰子
(高知県香南市)
撮影地:高知県
特選 クラブツーリズム賞
森田道昭
(福岡県北九州市)
撮影地:大分県
粕谷 しづ江
(埼玉県県入間市)
撮影地:埼玉県
 
 
 
 
特選
特選
森澤孝慈
(秋田県秋田市)
撮影地:秋田県
植竹 みとり
(茨城県下妻市)
撮影地:茨城県
特選 特選
藤森義江
(長野県諏訪市)
撮影地:長野県
大西忠男
(奈良県生駒市)
撮影地:三重県
 
特選 クラブツーリズム賞
深蔵正成
(大分県宇佐市)
撮影地:大分県
神永昭子
(千葉県千葉市)
撮影地:宮城県
※敬称は略させていただきました。