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審査員 竹内敏信氏
たけうちとしのぶ
1943年愛知県生まれ。名城大学理工学部卒。愛知県庁勤務の後、フリーとなる。風景写真の第一人者として最も人気が高く、多くの写真コンテストの審査委員を務める。写真展、講演会など多数。



昨年に比べ応募数は少し減っていますが、作品の水準は変わることなく高く、むしろ昨年よりレベルアップしているように思えます。内容もバラエティに富んでいて、楽しく審査することができました。ただし、昨年の上位作品と同じような傾向のものは新鮮さがないので評価が下がってしまいます。より新しい可能性を求め、季節の美に挑戦した方がいいものができ上がるはずです。やはり常に自分の新鮮な視覚を求めていくべきで、そのことが写真を撮る価値にもつながってきます。こうした視点をもって、これからも作品づくりをして欲しいと思います。

カメラ:ペンタックス645 レンズ:SMC33-55mm 絞り:f32 シャッタースピード:オート 
フィルム:ベルビア50 UVフィルター 三脚使用

老木についたきのこだと思いますが、その形が不思議な生き物のようになっています。きのこと周りのコケの色合いが対照的で、非常に存在感のある作品になっています。きのこの質感と形状、そしてモミジの葉がうまくマッチして、不思議な空間が生まれました。自然の美、自然の造形の妙技がつくりだした自然界の神様の姿に思えます。小さな空間ですが、小さいが故に大きな広がりを感じさせる、的確なフレーミングとイマジネーション豊かな映像で表現したところが見事です。
今回の応募作品を見て驚いたのが、昆虫写真の多さです。エリアを問わず全国各地から応募されていました。昆虫写真にも期待をして審査に臨んでいたので、とてもうれしく思いました。また、昆虫写真といっても図鑑的なものではなく、もう一歩踏み込んだ作品が多く集まりました。ただ、1人でペットや野鳥・昆虫などと様々なジャンルの写真を応募される方がいますが、所属されているクラブやキタムラのお店の方とも相談して、もっとジャンルを絞った作品づくりをされることをおすすめします。
審査員 増田勝正氏
ますだ かつまさ/1945年東京都出身。
愛犬雑誌のカメラマンを経て現在フリーの動物カメラマン。アイメイト(盲導犬)のボランティア活動にも参加し、自ら犬、猫の繁殖・育成にかかわっている。
カメラ:オリンパスC-1 Zoom
グランプリ寸評
昆虫写真の作品の中にはストロボを使った作品もありましたが、このグランプリ作品は自然光で撮ったものです。ピントが合っているところと、ボケの部分がとても自然に表現されています。さらにクローズアップで撮影して大きく見せることで、犬や猫とは異なる非現実的な表現ができることも昆虫写真の魅力であると思います。非常にインパクトのある作品です。
「七五三」「紅葉」「稲刈り」「芋ほり」など、秋の雰囲気がバックに写し込まれている作品が多く集まりました。また、室内で撮影したものはアングルなどが限られるせいか、似た作品が多く見受けられました。このコンテストも回数を重ねていますので、室内で撮った記念写真的なもので上位に入るのは難しいでしょう。しかし、そうしたものでも表情のいい一瞬をとらえて上位入賞した作品もあります。これからもこどもたちの豊かな表情をとらえた作品の応募を期待しています。
審査員 沼田早苗氏
ぬまたさなえ/1968年大竹省二氏に師事。1978年フリーの写真家となり商業写真、取材写真を手がけ、ライフワークとして著名な男性のポートレイトを撮影。写真展には「私の写交録」「みんな・みんな・蒼き狼」「もう一人の日本人」などがある。
カメラ:キヤノン5D レンズ:50mm
絞り:f2 シャッタースピード:オート
グランプリ寸評
今回は全体のレベルが高く、グランプリの選定には苦労しました。その中でもかわいらしい表情がよく表現されているこの作品を選びました。鈴を鳴らす縄の房と、それをつかんだ小さな手との対比が、こどもの小ささ、かわいらしさを強調しています。房の白と着物の赤のコントラスト、暗いバックの中に浮き上がっている千歳飴の袋など、無駄のないフレーミングで七五三の雰囲気を随所にうまく取り入れています。よく計算された完成度の高い作品です。
いい被写体と出会っても、それをうまく写真に収めることができるかどうかが重要。自分の中で写真を撮りたいという気持ちが高ぶっている時に、いい被写体と出会えると、自然といい写真が撮れるものです。しかし、いつそのような状況に出会えるかわからないので、絶えずカメラを持っていることも、写真上達への近道かもしれません。その意味からもデジタルカメラは有効な手段です。“写真は自己主張”なので、気に入らないものはどんどん消す。捨てる眼を持つことも大事です。
審査員 サンダー平山氏
サンダーひらやま/1956年千葉県出身。日本大学文理学部物理学科自主卒業後、日本写真芸術専門学院発展的除籍。CMカメラマン、ファッションカメラマンなどの助手を経験した後にテレビ屋もかじる。つまり助手経験めちゃくちゃ豊富。そしていつのまにかサンダー平山となる。著書とっても多数。

カメラ:ペンタックスZ-5P
レンズ:トプコール58mm 絞り:f2
シャッタースピード:60
フィルム:ベルビア100 スカイライト使用
グランプリ寸評
ポートレート写真の場合は“眼力”が一番重要です。この作品はモデルの女性がその眼力を強く感じさせた1枚です。いいポートレート写真は、撮る側の力だけでなく被写体の力も大きく影響します。この作品からは女性の魅力を素直に表現しようと、作者が心をこめて撮っていることがわかります。


※敬称は略させていただきました。
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各種グランプリ

腕自慢部門

※腕だめし部門
テーマ1(いきもの):特選・準特選・入選
テーマ2(こども&赤ちゃん):特選・準特選・入選
テーマ3(自由作品):特選・準特選・入選
テーマ1(いきもの):佳作・カメラのキタムラ賞
テーマ2(こども&赤ちゃん):佳作・カメラのキタムラ賞
テーマ3(自由作品):佳作・カメラのキタムラ賞